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飲酒と喘息は関係ある?

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アルコール誘発喘息とは?飲酒と喘息の関係を解説
「お酒を飲むと息苦しくなる…」「喘息の症状が悪化する気がする…」喘息持ちのあなたは、こんな経験はありませんか?
実は、アルコールは喘息の症状を悪化させる可能性があります。
本記事では、喘息とアルコールの関係性について、具体的な事例を交えながら解説していきます。

アルコールが喘息に与える影響とは?

喘息は、気道が炎症を起こしやすい慢性の呼吸器疾患です。
アルコールが喘息に与える影響について理解することは、発作のリスクを軽減するために重要です。
以下に、アルコールが喘息を悪化させるメカニズムを解説します。

アルコール摂取による喘息の悪化メカニズム

アルコールは、気管支を収縮させる作用があると考えられています。
例えば、ビールに含まれるホップは、気管支を収縮させる効果があることが知られています。
お酒として摂取したアルコールは、肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解され、ヒスタミンという物質の放出を促進します。
これらは気道に炎症を起こし、喘息の症状を悪化させる原因となります。
さらに、アルコールは気道の過敏性を高め、刺激に対してより反応しやすくなる可能性も指摘されています。
つまり、アルコールを摂取することで、気管支が収縮し、炎症が起きやすくなり、喘息の症状が悪化するリスクが高まるのです。

喘息患者が知るべき飲酒のリスク

アルコールは、喘息の症状を悪化させるだけでなく、重症化や死亡リスクを高める可能性も指摘されています。
特に、重症の喘息のある方や、喘息の症状がコントロールされていない患者さんは、アルコールの摂取を控えるべきです。
アルコールが原因で喘息の症状が悪化し、呼吸困難に陥り、最悪の場合死亡に至るケースも考えられます。

アルコール誘発喘息の症状と息苦しさ

アルコールを摂取したあと、すぐに喘息や息苦しさを感じた場合は、アルコール誘発喘息の可能性があります。

アルコール摂取後に息苦しいと感じたら要注意!

アルコールを摂取した後、急な息苦しさや咳、喘鳴などの症状が出現した場合、アルコール誘発喘息の可能性があります。
アルコールを摂取してから数分から数時間後に症状が現れるケースが多く、中には、飲酒後すぐに症状が出る場合もあります。

アルコール摂取後の典型的な症状

  • 息苦しさ
  • 喘鳴(ぜーぜー、ヒューヒューといった音)
  • 胸の締め付け感

これらの症状が出現するようであれば、医師の診察を受けるようにしましょう。
診察を受ける科目は呼吸器科となります。

どの程度の飲酒が喘息を悪化させるのか?

「喘息があるけどお酒は辞められない」「会社の付き合いで飲まなければいけない」という方もいらっしゃると思います。
どの程度の飲酒が喘息に繋がるのかを解説していきます。

飲酒量と喘息症状の関係

喘息の悪化に影響を与える飲酒量は、個人差が大きいため、一概には言えません。
しかし、一般的には、多量のアルコール摂取ほど、喘息の症状が悪化するリスクが高まるとされています。
また、同じ量のアルコールでも、体質や体調、飲酒の頻度によって、喘息への影響は異なります。

悪化のサインを見逃さない方法

飲酒によって喘息の症状が現れる場合は、以下の点に注意して飲酒することをおすすめします。

  • 飲酒前に症状が安定しているか確認する
  • 飲酒中に息苦しさや咳などの症状が出現したら、すぐに飲酒を中止する
  • 過去の経験を参考に、自分の飲酒量と喘息症状の関係を把握しておく

アルコール誘発喘息は治るのか?

アルコール誘発喘息の発作を抑えるには、飲酒を控えるのが最も効果的です。
しかし、付き合いで飲まなければいけない方もいらっしゃると思います。
アルコール誘発喘息は自然治癒するのか、または治療で治るのかを解説していきます。

自然回復は期待できるか

アルコール誘発喘息は、原因となるアルコールの摂取を控えることで、症状が改善する場合があります。
しかし、症状が重症の場合や、喘息の症状がコントロールされていない場合は、自然回復を期待せず、医療機関を受診することが大切です。

治療による改善の可能性

アルコール誘発喘息の治療には、薬物療法や生活習慣の改善などが行われます。
・吸入ステロイド薬: 気道に直接作用し、炎症を抑える効果があります。
・気管支拡張剤: 気管支を拡張し、息苦しさを改善する効果があります。
また、禁煙、運動、ストレス管理なども効果的です。

市販薬は有効?アルコール誘発喘息の対策法

「喘息の症状が出たけど病院に行くのは面倒」「市販薬で治したい」という方もいらっしゃると思います。
市販薬の効果がないことはありませんが、確実なのはやはり病院受診をしてきちんと診察して薬の処方を受けることです。

市販薬でできる症状の緩和

市販薬には、喘息の症状を一時的に緩和する薬もありますが、根本的な治療には至りません。
市販薬は、あくまでも症状を軽くするための補助的な手段として考えてください。

効果的な市販薬の選び方

喘息の発作時に「コデイン」という成分が配合された咳止め薬を服用すると、呼吸抑制の副作用が生じ、症状が悪化する可能性があるので、注意が必要です。
市販薬を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
・自分の症状に合った薬を選ぶ
・使用上の注意をよく読んでから服用する
・服用前に医師または薬剤師に相談する
市販薬で効果が得られない場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。

喘息で死亡する可能性もある?重症化予防

喘息は軽い病気と思われがちですが、重篤になると死亡する可能性もあるため、注意が必要です。

気管支拡張薬の活用法

医師の診察の結果、気管支拡張剤が処方されることがあります。
喘息の症状が悪化した場合は、気管支拡張薬を服用することで、症状の改善が期待できます。
気管支拡張薬は、気管支を拡張することで、息苦しさを改善する効果があるお薬です。

緊急時の対処法

喘息の症状が重症化し、呼吸困難などの症状が出現した場合は、すぐに救急車を呼ぶようにしましょう。
特に以下のような症状がある場合は注意が必要です。

  • 呼吸困難
  • 意識消失
  • 青白い顔色
  • 発汗

これらの症状が見られる場合は、一刻も早く医療機関を受診してください。

飲酒と喘息のリスク管理

喘息がありながらもお酒を飲むためには注意してほしいポイントがいくつかありますので、紹介します。

アルコールを楽しむためのポイント

喘息持ちの方でも、適切な飲酒方法を心がけることで、お酒を楽しむことができます。
以下に注意して飲むと良いでしょう。

  • 自分の体調と相談して、飲酒量を調整する
  • 飲酒前に症状が安定しているか確認する
  • 飲酒中に息苦しさなどの症状が出現したら、すぐに飲酒を中止する
  • 飲酒の前後に水分を十分に摂取する
  • 睡眠不足や疲労時、体調が悪いときは飲酒を控える

過去の症状のパターンを知ろう

過去の経験を参考に、どの程度の飲酒で喘息の症状が悪化するのか、自分の飲酒量と喘息症状の関係を把握しておきましょう。
喘息の症状やお酒の量、種類、その日の体調など、日記の様に残しておくと、後々把握しやすいのでおすすめです。

気をつけたい特定のアルコール

禁酒が最も安全ですが、どうしても飲酒したい場合は、以下を参考にしてください。
喘息で気管が敏感になりやすい方は、アルコールの種類にも注意するとよいでしょう。

飲むべきでないアルコールの種類

喘息持ちの方は、以下のアルコール飲料を避けるべきです。
・ホップを含むビール
・ヒスタミンを含むワイン
・サルファイトを含むワイン
これらのアルコール飲料は、喘息の症状を悪化させる可能性が高いため、注意が必要です。

添加物に注意した飲み方

アルコール飲料には、様々な添加物が含まれています。
喘息の方の中には、いろいろな薬や食品添加物、防腐剤などにも反応しやすい方がいらっしゃいます。
喘息の症状が悪化する可能性のある添加物には、以下のようなものがあります。
・着色料
・香料
・酸味料
・保存料
添加物の多いアルコール飲料は、喘息の症状を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

喘息患者のための健康的なライフスタイル

飲酒以外にも喘息を誘発する原因はいくつかあります。
下記を参考に、喘息とうまく付き合っていきましょう。

呼吸を楽にする日常の習慣

喘息の症状を悪化させないためには、日頃から呼吸を楽にする習慣を心がけましょう。
・適度な運動をする
・十分な睡眠をとる
・ストレスを溜めない
・湿度を適切に保つ
・室内を清潔に保つ

アルコール以外に注意すべき要因

・季節の変わり目
・黄砂やPM2.5などの大気汚染
・花粉症
・ダニ
・ペットの毛
・煙草の煙
これらの要因も、喘息の症状を悪化させる可能性があります。
喘息をお持ちの方は、これらの要因にも注意し、健康的な生活を心がけましょう。

まとめ

本記事では、喘息と飲酒の関係性について解説しました。
アルコールは、気管支を収縮させ、炎症を起こしやすくするなど、喘息の症状を悪化させる可能性があります。
特に、重症の喘息のある方や、症状がコントロールされていない患者さんは、アルコールの摂取を控える方が安全です。
また、アルコール誘発喘息は、急な息苦しさや咳などの症状を引き起こす可能性があり、重症化や死亡リスクも高まります。
喘息持ちの方は、飲酒量を控え、体調に注意しながら、安全に配慮した生活を送りましょう。
もし、アルコールを摂取した後、息苦しさや咳などの症状が出現したら、すぐに医師の診察を受けてください。
喘息とアルコールの関係性を正しく理解し、安全に配慮した生活を送りましょう。

よくあるご質問

Q:アルコールを飲むと息苦しくなるのは喘息が原因ですか?

A.:喘息の可能性はありますが、それ以外にもアルコールアレルギーやヒスタミン反応、アセトアルデヒド不耐症が関係している場合があります。
何度も同じ症状が出る場合は、医師に相談して検査を受けることをおすすめします。

Q:アルコール誘発喘息に市販薬で対応できますか?

A. 一時的な対策として、抗ヒスタミン薬や気管支拡張剤(喘息用の吸入薬)が有効な場合もあります。
ただし、市販薬だけで完全に症状を抑えるのは難しく、重い発作を引き起こすリスクもあるため、医師の診察を受けるのが安全です。

参考文献

・厚生労働省 成人喘息の疫学、診断、治療と保健指導、患者教育
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-07.pdf
・『Codeine』MedlinePlus
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a682065.html
・アルコール誘発喘息
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/57/1/57_KJ00004840309/_pdf
・アルコール誘発喘息 サン・レモ リハビリ病院 浅井貞宏
https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/57/1/57_KJ00004840309/_pdf

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