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貧血になりやすい人ってどんな人?

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貧血になりやすい人の特徴を血液専門医・指導医が解説
貧血は日常生活に大きな支障をきたす可能性がある健康問題です。
「もしかして、自分は貧血かも?」と不安に思う方は、自身の体調を確認してみてください。
本記事では、貧血になりやすい人の特徴や貧血の症状、放置するとどうなるのか、隠れた病気との関係、男性の貧血、貧血予防に効果的な食べ物などを詳しく解説していきます。

貧血になりやすい人の特徴

貧血は、誰でもなる可能性がありますが、特に以下に当てはまる人は注意が必要です。
特に女性や妊娠・授乳中、成長期のお子さんは、貧血になりやすい傾向にあります。

女性の方

女性は、月経による出血や妊娠・出産などで、男性よりも鉄分の需要量が多いです。
そのため、女性は男性よりも貧血になりやすいと言われています。
女性の中でも、特に以下の場合は貧血になりやすいです。

  • ・月経周期が短い、経血量が特に多い
  • ・妊娠・出産経験が多い
  • ・子宮筋腫や子宮内膜症など、婦人科系の疾患がある

年齢が高い方

年齢を重ねるにつれて、鉄分の吸収率が低下したり、血液を作る働きが低下したり、胃酸の分泌量が減ったりするため、貧血になりやすくなります。
また、食生活が偏りがちで鉄分を十分に摂取できていない場合もあります。
特に、高齢女性は貧血のリスクが高いと言われています。

妊娠中・授乳中

妊娠中は、胎児の成長に必要な血液が増加するため、鉄分の需要量が増加します。
また、授乳中も、母乳を通して鉄分が失われるため、貧血になりやすくなります。
特に妊娠初期や後期は、鉄分の需要が高まるため、貧血のリスクが高くなります。

成長期の子ども

成長期は体の成長に伴い、鉄を多く必要とするため貧血になりやすいです。
特に思春期は、急激な成長やホルモンの変化により、鉄分や栄養不足になり貧血を引き起こすことがあります。
また、過度なダイエットや偏食、激しいスポーツ、女性の場合は月経により鉄の需要が高まります。

食生活が乱れている人

偏食やダイエットなどで、鉄分を十分に摂取できていない人は、貧血になりやすいです。
また、肉や魚などの動物性食品だけでなく、野菜や大豆などの植物性食品にも鉄は含まれています。
鉄の吸収率が高いのは動物性食品ですが、偏った食生活をしていると栄養不足や鉄不足になりやすく、貧血につながります。
特にダイエットや食事制限をしている人、外食やコンビニ食など栄養バランスの偏った食事をしている人は注意が必要です。

胃腸の病気を持っている人

胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、胃腸の病気を持っている人は、鉄分の吸収が阻害されるため、貧血になりやすいです。
また、消化器官からの出血により慢性的に貧血の状態が起こってしまいます。
他の病気がある人は、貧血に繋がるものがないか注意が必要です。

遺伝的な要因

家族に貧血の人がいたり、遺伝的な体質の人は、貧血になりやすいと言われています。
遺伝性の貧血には、次のようなものがあります。

ダイヤモンド・ブラックファン貧血(DBA)乳幼児期に発症。赤血球細胞のみが障害される先天性の血液疾患です。
ファンコニ貧血(FA)DNAの修復に異常がある遺伝性疾患で、骨髄不全や白血病、固形腫瘍などの症状が現れます。
遺伝性鉄芽球性貧血(CSA)骨髄で異常な赤血球が作られる病気です。
先天性赤血球形成異常性貧血(CDA)赤血球に育つ前の血液細胞に生まれつき形態異常がある病気です。
遺伝性溶血性貧血遺伝性球状赤血球症(赤血球膜の遺伝的異常により赤血球が破壊され、貧血を引き起こす先天性溶血性貧血の一種)や
遺伝性楕円赤血球症(赤血球が卵円形または楕円形になる)、
まれな常染色体優性遺伝の遺伝性片方赤血球症(DHSt)などがあります。
先天性造血不全症候群赤血球の遺伝的異常により赤血球が破壊され、貧血を来たす疾患です。

これらの疾患は、骨髄不全や先天性奇形、発がん素因を共有しているものもあります。

貧血の症状

貧血の症状は、貧血の種類や程度によって異なりますが、以下のような症状が見られる場合があります。

  • ☑疲れやすい
  • ☑息切れしやすい
  • ☑めまいがする
  • ☑頭痛がする
  • ☑動悸がする
  • ☑顔色が悪い
  • ☑手足が冷える
  • ☑爪が薄い
  • ☑口角が切れる
  • ☑食欲不振
  • ☑立ちくらみ
  • ☑身体がだるい

これらの症状を感じたら、貧血の可能性があります。
放置すると、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

貧血を放置するとどうなる?

貧血を放置すると、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

貧血は隠れた病気のサイン?

貧血は、他の病気の症状として現れることもあります。
例えば、胃潰瘍や大腸癌、慢性腎臓病など。貧血が続く場合は、他の病気が隠れている可能性も考えられますので、医療機関を受診して検査を受けることをおすすめします。

貧血が続くとどうなる?

貧血が続くと、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。

体力低下

貧血によって酸素供給が不足すると、身体は疲れやすくなり、体力も低下します。

集中力低下

脳への酸素供給が不足すると、集中力が低下し、思考力や記憶力も衰えてしまいます。

免疫力低下

貧血は免疫力を低下させ、風邪や感染症にかかりやすくなります。

心臓への負担増加

心臓は、酸素不足を補おうとして、より多くの血液を送り出そうとします。
そのため、心臓への負担が増加し、心臓病のリスクが高まります。

妊娠・出産への影響

妊娠中は、胎児の成長に必要な酸素を十分に供給できなくなるため、流産や早産の危険性が高まります。

日常生活への支障

貧血が進行すると、日常生活に支障をきたす可能性があります。
例えば、立ちくらみがひどくなったり、息切れが激しくなったりし、仕事や家事が困難になることもあります。

男性も要注意!貧血は男性にも起こる

貧血は、女性に多いイメージがありますが、男性にも起こります。
男性の場合は、女性に比べて症状が出にくい場合もあるため、気づかないうちに貧血が進行していることもあります。
特に、以下のような男性は注意が必要です。

  • ・食生活が乱れている人
  • ・飲酒や喫煙の習慣がある人
  • ・ストレスを抱えている人
  • ・運動不足の人
  • ・過度のダイエットをしている人

貧血のチェック

ご自身で簡単にできる貧血チェック方法をご紹介します。

✅ すぐできる!貧血チェックリスト

1. 顔色が悪いと言われるか?
普段から顔色が悪いと言われる方は、貧血の可能性があります。

2. 爪が薄くなったり、白っぽくなったりしていないか?
爪が薄くなったり、白っぽくなっている場合も、貧血のサインです。

3. 立ちくらみがするのか?
急に立ち上がると、めまいがしたり、立ちくらみがする場合は、貧血の可能性があります。

4. 疲れやすい、息切れしやすいと感じませんか?
休んでいても疲れやすい、少し動いただけで息切れする、などの症状がある場合は、貧血の可能性があります。

5. 食欲不振、口角が切れるなどの症状はないか?
貧血は、食欲不振や口角が切れるなどの症状を引き起こすこともあります。

これらの症状に心当たりがある方は、貧血の可能性があります。早めに医療機関を受診し、検査を受けることをおすすめします。

貧血予防に効果的な食べ物

貧血予防には、鉄分を多く含む食品を積極的に摂取することが重要です。

鉄分を多く含む食品
動物性食品牛肉、豚肉、鶏肉、レバー、魚介類
植物性食品ほうれん草、小松菜、ひじき、納豆、豆腐、ごま
鉄分の吸収を高める食品
ビタミンCを多く含む食品柑橘類、イチゴ、ブロッコリー、パプリカ
タンパク質を多く含む食品肉、魚、卵、乳製品

これらの食品をバランス良く摂取することで、鉄分の吸収率を高め、貧血予防に役立ちます。

貧血の治療

貧血の治療は、原因によって大きく異なります。
そのため、まずは血液検査などを行い、正確な診断を受けることが重要です。
適切な治療法を選択することで、症状の改善や再発予防に役立ちます。
特に、消化器官や悪性腫瘍などが原因で出血をしている場合は、まず原因疾患の治療をすることが重要です。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血は、最も一般的な貧血で、鉄分の不足が原因です。
治療法としては、鉄分の補給が基本となります。
鉄剤の服用は、貧血が改善するまで続ける必要があります。
また、食事療法など、生活習慣の改善も重要です。
・鉄剤の服用
鉄剤は、錠剤やカプセル、シロップなど、様々なものがあります。
医師の指示に従って服用しましょう。
・食事療法
鉄分を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。
例えば、動物性食品であれば牛肉、豚肉、鶏肉、レバー、魚介類。植物性食であれば、ほうれん草、小松菜、ひじき、納豆、豆腐、ごまなどです。
・ビタミンCの摂取
ビタミンCは、鉄分の吸収を促進する効果があります。
柑橘類、イチゴ、ブロッコリー、パプリカなどを積極的に摂取しましょう。
・鉄分の吸収を阻害するものの摂取制限
コーヒー、紅茶、緑茶、牛乳などは、鉄分の吸収を悪くしてしまうため、食事と一緒に摂る際は注意が必要です。

ビタミンB12欠乏性貧血の治療:ビタミンB12の補給が重要

ビタミンB12欠乏性貧血は、ビタミンB12の不足が原因で起こる貧血です。
治療法としては、ビタミンB12の補給が必要となります。
・ビタミンB12の注射
ビタミンB12は、経口摂取よりも注射の方が吸収率が高いため、通常は注射で補給します。
・食事療法
ビタミンB12を多く含む食品を摂取しましょう。例えば、 肉、魚、卵、乳製品などがおすすめです。
※ビタミンB12欠乏性貧血の原因が、胃の病気などによる吸収不良の場合、食事療法だけでは改善が難しいことがあります。

葉酸欠乏性貧血の治療:葉酸の補給

葉酸欠乏性貧血は、葉酸の不足が原因で起こる貧血です。
治療法としては、葉酸の補給が重要となります。
・葉酸剤の服用
葉酸剤は、錠剤やカプセルなどがありますので、医師の指示に従って服用しましょう。
・食事療法
葉酸を多く含む食品を摂取しましょう。
葉酸を多く含む食品は以下のものがあります。
・緑黄色野菜:ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、パプリカなど
・果物:オレンジ、バナナ、イチゴなど
・豆類:大豆、レンズ豆、ひよこ豆など
妊娠中は、胎児の神経管閉鎖障害を予防するために、葉酸の摂取が特に重要になります。

溶血性貧血の治療:原因となる病気の治療が中心

溶血性貧血は、赤血球が壊れてしまうことで起こる貧血です。
原因となる病気によって治療法が異なります。
・遺伝性溶血性貧血
・特定の遺伝子異常が原因で起こる貧血です。
根本的な治療法はありませんが、症状を緩和するための治療を行います。
・自己免疫性溶血性貧血
自己免疫疾患によって赤血球が破壊される貧血です。
ステロイド薬などの免疫抑制剤が使用されます。
・薬剤性溶血性貧血
特定の薬剤によって赤血球が破壊される貧血です。
原因となる薬剤の服用を中止する必要があります。
溶血性貧血の原因が特定できれば、それに応じた治療を行うことで改善が期待できます。

まとめ

今回は、貧血になりやすい人の特徴や症状、放置するとどうなるのか、隠れた病気との関係、男性の貧血、貧血予防に効果的な食べ物などを解説しました。
貧血は、放置すると様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
さらに、ただの貧血だと思って放置をしていると、実は大きな病気が隠れていたということもありますので、少しでも体調の変化を感じた場合や不安がある方は、医療機関の受診をおすすめします。
「自分は貧血かも?」「体調がおかしい」と思ったら当クリニックへお気軽にご来院ください。

よくあるご質問

Q:貧血で入院するレベルはどんな時ですか?

A:貧血で入院が必要となるケースは、重度の貧血でヘモグロビン値が非常に低く、日常生活に支障をきたす場合や輸血が必要な場合です。
また、癌や慢性腎臓病など、貧血の原因となる病気があり、治療が必要な場合も入院となる可能性があります。
貧血が疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、医師の診察を受けることをおすすめします。

Q:貧血の危険な数値はどのくらいですか?

A:一般的に以下の数値が貧血の基準となります。
・成人男性:ヘモグロビン13.0g/dL以下
・成人女性:ヘモグロビン12.0g/dL以下
・妊婦:ヘモグロビン11.0g/dL以下 ※特に10g/dL未満の場合は要注意です。

参考文献

鉄代謝と鉄欠乏性貧血 ―最近の知見―張替 秀郎
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/7/104_1383/_pdf
日本臨床検査医学会 貧血 北村聖
https://www.jslm.org/books/guideline/36.pdf
難病センター ダイアモンド・ブラックファン貧血
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/File/284-202404-kijyun.pdf
公益社団法人 千葉県栄養士会 鉄欠乏性貧血の予防と食事
https://www.eiyou-chiba.or.jp/commons/shokuji-kou/preventive/tetsuketsubouseihinketsu/#:~:text=%E9%89%84%E3%81%AF%E3%83%AC%E3%83%90%EF%BC%8D%E3%82%84%E8%B5%A4%E8%BA%AB,%E3%82%84%E9%AD%9A%E9%A1%9E%E3%81%AF%E6%9C%89%E5%8A%B9%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82&text=%E9%AD%9A%E3%80%81%E8%82%89%E3%80%81%E5%8D%B5%E3%80%81%E5%A4%A7%E8%B1%86,%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E5%BF%83%E6%8E%9B%E3%81%91%E3%81%BE%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E3%80%82

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