
頭痛の原因は様々ですが、その中には高血圧が関係しているケースも少なくありません。
本記事では、頭痛と高血圧の関係性、頭痛の種類や症状、高血圧が原因と考えられる頭痛の対処法について、血液専門医が詳しく解説します。
さらに、高血圧と頭痛が引き起こす可能性のある疾患についても触れ、予防と管理の重要性を解説していきます。
頭痛と高血圧の関係性とは?
高血圧は、血管の壁に常に高い圧力がかかり続ける状態です。
この状態が続くと、血管が傷つきやすくなり、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
頭痛も、高血圧が引き起こす可能性のある症状の一つです。
高血圧によって脳の血管が収縮したり、拡張したりすることで、頭痛が起こることがあります。
特に、血圧が急に収縮期(上の血圧)180mmHg以上または拡張期(下の血圧)120mmHg以上になると、高血圧性の頭痛が起こることがあります。
高血圧による頭痛はどのへんが痛む?
高血圧による頭痛は、特定の部位に痛みを感じることが特徴です。
こめかみの痛み
高血圧による頭痛で最も多いのが、こめかみの痛みです。
両側のこめかみに脈打つような痛みや、締め付けられるような痛みが特徴です。
これは、高血圧によって脳の血管が拡張し、その拡張によってこめかみが脈打つように痛むと考えられています。
また、脳の血管が収縮することで、こめかみが締め付けられるような痛みを感じることがあります。
目の奥の痛み
目の奥の痛みも、高血圧による頭痛の症状の一つです。
目の奥がズキズキと痛む、目の奥が圧迫されているような感覚など、様々な症状が現れます。
これは、高血圧によって目の奥の血管が収縮したり、拡張したりすることで起こると考えられています。
首の後ろが痛い
首の後ろの痛みは、高血圧によって脳の血管が収縮し、首の筋肉が緊張することで起こることがあります。
首の後ろが重く感じる、肩や首が凝り固まっているような感覚など、様々な症状が現れます。
高血圧によって首の血管が収縮することで、首の筋肉が緊張し、痛みや凝りを感じることがあります。
高血圧性頭痛の特徴
高血圧による頭痛は、以下のような特徴があります。
頻繁に起こる
週に数回、または毎日頭痛が起こる。
これは、高血圧が慢性的に続いているために、脳の血管が常に収縮したり、拡張したりしている状態であるためと考えられます。
朝起きた時や興奮、緊張で起こる
朝起きた時や、興奮したり緊張したりしたときに頭痛が強くなる傾向があります。
朝は血圧が上がりやすく、興奮や緊張することで血圧が上がることで、頭痛を引き起こします。
他の症状を伴う
吐き気、めまい、顔面蒼白、動悸、息切れなどの症状を伴う場合がある。
これは、高血圧によって心臓や血管にも負担がかかっているためと考えられますが、その他の頭痛でも起こる場合がありますので、見極めは難しいです。
鎮痛剤が効きにくい
鎮痛剤を服用しても効果が得られない、または効果が一時的な場合がある。
また頭痛により血圧が上昇している場合もあります。
これは、高血圧によって脳の血管が常に緊張しているため、鎮痛剤の効果が十分に発揮されないと考えられます。
高血圧による頭痛の対処法
高血圧が原因と考えられる頭痛を改善するためには、まず、高血圧の治療が重要です。
その他には以下の対処法が効果的です。
薬の服用(ロキソニンは注意)
カロナールなどのアセトアミノフェンを配合した解熱鎮痛剤が効果的です。
ただし、鎮痛剤はあくまで対症療法であり、根本的な解決にはなりません。
また、高血圧症や高齢者の方は、ロキソニンには血圧を上昇させる作用があるため、ロキソニンの内服は望ましくないです。
更に、血圧の薬と併用すると、降圧作用が減弱したり腎臓の働きが悪化するおそれがあります。
鎮痛剤を服用する際は、必ず医師の指示に従ってください。
特に、胃潰瘍や腎臓病など、持病がある方は、服用前に医師に相談することが重要です。
また、鎮痛剤の長期的な服用は、肝臓や腎臓に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。
物理的な対処法
すぐに薬を用意できない時や、薬に頼りたくない時には以下を試してみると良いでしょう。
冷やす
氷嚢や冷却シートなどを患部に当てると、痛みを和らげる効果があります。
これは、冷やすことで血管が収縮し、炎症を抑える効果があるためです。
安静にする
静かな場所で横になり、休息を取ると、頭痛が和らぐことがあります。
これは、安静にすることで心身のリラックスを促し、血管の緊張を和らげる効果があるためです。
マッサージをする
頭や首をマッサージすると、血行が促進され、頭痛が和らぐことがあります。
これは、マッサージによって血行が促進され、脳の血管の緊張が和らぐ効果があるためです。
生活習慣の改善
一見無関係に思われますが、生活習慣を改善することで、血圧の安定や頭痛の予防に繋がります。
睡眠
十分な睡眠時間を確保しましょう。
睡眠不足は、高血圧や頭痛の原因となるため、質の高い睡眠を心がけることが重要です。
運動
適度な運動は、血圧を安定させる効果があります。
運動をする際は、無理せず自分のペースで行うようにしましょう。
ストレス解消
ストレスは高血圧の原因となるため、ストレスをためないようにしましょう。
ストレス解消法としては、ヨガや瞑想、音楽鑑賞など、自分に合った方法を見つけることが大切です。
禁酒
長期的にアルコールを摂取することで、血圧を高くする作用があります。
禁酒もしくは週に2日は休肝日を作るなどして、アルコールを控えましょう。
禁煙
喫煙は高血圧のリスクを高めます。
禁煙することで、高血圧の予防だけでなく、様々な健康上のメリットが期待できます。
食生活の見直し
高血圧には食事の改善が最も重要です。
特に塩分量の管理はとても重要になります。
塩分摂取量を減らす
塩分の過剰摂取は高血圧の原因となります。
高血圧の治療では、一般的に1日6g未満の塩分量に抑えることを目標としています。
食事の塩分量を減らすためには、外食を控え、家庭で料理をする際に塩分控えめにするように心がけましょう。
バランスの良い食事
野菜、果物、魚などをバランス良く食べましょう。
特に、カリウムを多く含む食材は、高血圧の予防に効果的です。
カリウムを多く含む食材としては、バナナ、ほうれん草、ひじき、納豆などが挙げられます。
ただし、糖尿病や腎臓病のある方は主治医の指示のもと、調整するようにして下さい。
加工食品を控える
加工食品には、塩分や脂肪分が多く含まれています。
加工食品の摂取量を減らすことで、高血圧のリスクを軽減することができます。
高血圧と頭痛を引き起こす疾患のリスク
高血圧は、頭痛だけでなく、他の疾患のリスクを高める可能性があります。
脳卒中
高血圧は、脳卒中のリスクを高めます。
脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破裂したりすることで起こります。
脳卒中の症状としては、半身麻痺、言語障害、意識障害などが挙げられます。
心血管疾患
高血圧は、心臓病や狭心症などの心血管疾患のリスクを高めます。
心血管疾患は、心臓や血管に異常が起こることで生じます。
心臓病の症状としては、息切れ、胸痛、動悸などが挙げられます。
狭心症の症状としては、胸の締め付けられるような痛み、息切れなどが挙げられます。
腎疾患
高血圧は、腎臓病のリスクを高めます。
腎臓病は、腎臓の機能が低下することで起こります。
腎臓病の症状としては、むくみ、尿量の減少、血尿などが挙げられます。
これらの疾病は後遺症が残ってしまうことや、命に関わることもあるため、症状が現れたら早急に病院受診をして下さい。
特に頭痛と共に麻痺がある場合は脳血管疾患を疑い、救急外来へ受診するようにして下さい。
高血圧の予防と管理
高血圧は、適切な治療と管理によって、そのリスクを軽減することができます。
定期的な健康診断
定期的に健康診断を受け、高血圧の早期発見・早期治療に努めましょう。
健康診断では、血圧測定だけでなく、血液検査や尿検査なども行われます。
高血圧を放置すると、頭痛のみならず様々な疾患の原因ともなりますので、早めに治療が受けられるようにしましょう。
生活習慣の改善
食生活や運動習慣を見直し、高血圧にならないように努めましょう。
また、肥満の方は適正体重に近づけるようにしましょう。
具体的には、塩分摂取量を減らし、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を習慣化しましょう。
医師の指示に従う
高血圧と診断された場合は、医師の指示に従って治療を行いましょう。
高血圧の治療には、薬物療法、生活習慣改善療法などがありますので、医師と相談しながら治療を進めていきましょう。
よくあるご質問
Q:高血圧による頭痛は、どんな人に多いですか?
A:高血圧による頭痛は、年齢や性別に関わらず起こる可能性がありますが、特に中年以降の男性に多い傾向があります。
これは、中年以降の男性は、生活習慣病にかかりやすい傾向があるためと考えられます。
Q:高血圧による頭痛は、どのように診断されますか?
A:高血圧による頭痛の診断は、問診、身体診察、血圧測定などを基に行われます。
必要に応じて、脳波検査やCT検査などの画像検査を行うこともあります。
問診では、頭痛の頻度、痛み方、時間帯、場所などを詳しく聞き取ります。
身体診察では、血圧測定や神経学的検査を行います。
画像検査では、脳の異常がないかを確認します。
Q:高血圧による頭痛は、治りますか?
A:高血圧による頭痛は、高血圧を治療することで改善する可能性があります。
ただし、高血圧の治療には時間がかかる場合もあるため、根気強く治療を続けることが重要です。
高血圧の治療には、薬物療法、生活習慣改善療法などがあります。
薬物療法では、血圧を下げる薬を服用します。
生活習慣改善療法では、食生活や運動習慣を見直し、高血圧にならないように努めます。
まとめ
頭痛と高血圧の関係性、頭痛の種類や症状、高血圧が原因と考えられる頭痛の対処法について解説しました。
更に、高血圧と頭痛が引き起こす可能性のある疾患についても触れ、予防と管理の重要性を解説しました。
もし、頭痛が頻繁に起こる場合は、高血圧の疑いがあるかもしれません。
高血圧は、頭痛だけでなく、様々な健康問題を引き起こす可能性のある病気です。
体調に不安がある方は、一度当クリニックへご相談下さい。
#高血圧 #頭痛
参考文献
頭痛の診療ガイドライン 2021 監修 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会
https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/zutsu_2021.pdf
高血圧治療ガイドライン2019
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2019/JSH2019_noprint.pdf

