
皮膚に突然現れる赤く小さな斑点「点状出血」に気づくと、不安になる方も多いかもしれません。
この症状は何が原因で起こるのでしょうか。
また、どのように対処すべきなのでしょうか。
本記事では、点状出血の原因や考えられる病気、さらに予防法までを詳しくご紹介します。
点状出血とは?どんな症状なのか
点状出血とは、皮膚にできる小さな赤い斑点のような出血のことで、毛細血管が破れて皮膚の下に血液が染み出す現象です。
大きさは一般的に1〜2mm程度で、発症当初は赤や紫のような色合いをしており、時間の経過とともに青っぽくなったり、黄色みを帯びていきます。
通常は痛みやかゆみを伴わないことが多いですが、症状や原因によって異なるケースも見られます。 以下は代表的な症状や特徴です。
皮膚に小さな赤い斑点が出現する
もっともよく見られる症状で、赤紫色や茶色っぽく見える場合もあります。
皮膚がわずかに盛り上がる
血液が皮膚の下にたまり、皮膚表面が少し膨らんで見えることがあります。
押しても色が消えない
出血による変色のため、指で押しても色は薄くなりません。
複数の斑点が集まって現れる
原因によっては、点状出血が集団で出現する場合もあります。
全身に点状出血が広がる
全身性の疾患が関与している場合、体のあちこちに点状出血が見られることがあります。
このような症状がある場合には、医療機関での診察を受けることをおすすめします。
点状出血の主な原因
点状出血が起こる原因は多種多様で、軽い外傷から深刻な病気まで幅広く存在します。
ここでは大きく4つの分類に分けて、それぞれの原因を詳しく解説します。
血管の異常:血管が弱くなる・拡張する
血管そのものが脆くなったり、拡張することで血液が漏れ出し、点状出血を引き起こすことがあります。
血管の脆さによるもの
血管が脆弱になる背景には、さまざまな要因があります。
例えば、加齢によって血管壁の弾力が失われ、破れやすくなることが挙げられます。
また、ビタミンCやコラーゲンが不足していると、血管を構成する重要な成分が欠如し、結果として血管が壊れやすくなります。
さらに、ビタミンCやKの欠乏症は、血管構造や止血機能に悪影響を与え、出血傾向を高めます。
膠原病などの自己免疫疾患では、血管の炎症が起きやすく、点状出血が現れやすくなります。
加えて、慢性肝疾患によって血液を固める因子の産生が減ると、血が止まりにくくなり、血管が損傷しやすくなることも原因の一つです。
血管の拡張によるもの
血管にかかる負担や拡張の影響で、点状出血が生じることもあります。
例えば高血圧は、血管に常に強い圧力を与えるため、血管壁に傷がつきやすくなります。 また、動脈硬化が進むと血管の柔軟性が失われ、血流の圧力に耐えられず破れることがあります。
アレルギー反応により一時的に血管が拡張することでも、細かな出血が起こる場合があります。
さらに、血管を拡張させる作用を持つ一部の薬剤の影響で、血管がもろくなり点状出血が出現することもあります。
外傷:打撲や擦り傷などによる出血
皮膚への打撲や擦り傷などの外傷により、血管が破れて出血し、点状出血が起こる場合があります。
外傷も点状出血の原因のひとつです。
例えば、軽い打撲や擦り傷などの軽い外傷では、皮下の毛細血管が一時的に傷ついて点状出血が起こることがありますが、多くの場合は数日以内に自然に消えていきます。
一方で、強い外傷による場合は、出血が皮下の広い範囲に広がり、内出血が目立つ形で現れることもあり、冷却や圧迫などの適切な処置が必要になります。
血小板の異常:血小板減少症など
血小板は、血液中に含まれる細胞の一種で、血管の損傷を修復する役割を担っています。
血小板の数が減ってしまうと、血管が破れても血液が止まりにくくなり、点状出血が起こりやすくなります。
血小板減少症とは、さまざまな原因によって血液中の血小板が減少してしまう病気で、止血機能が低下し、出血が起こりやすくなります。
中でも代表的なのが、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)で、明確な原因が特定できないまま血小板が減る病気であり、最もよく見られるタイプです。
また、薬剤性血小板減少症では、特定の薬の副作用によって血小板が減少することがあります。
さらに、ウイルスや細菌などの感染症によっても血小板の数が一時的または継続的に減ることがあります。
加えて、白血病などの血液のがんでは、血小板を含む血液細胞の生成に異常が生じるため、血小板の減少がみられます。
また、肝臓病により肝機能が低下すると、血小板の生成や分解の調整がうまくいかなくなり、血小板数の減少に繋がることがあります。
凝固因子の異常:血友病など
凝固因子とは、血液が固まる際に重要な役割を果たすタンパク質です。
凝固因子の異常があると、血液が固まりにくくなり、点状出血が起こりやすくなります。
たとえば、血友病は遺伝性の血液凝固異常症で、主に男性に多く見られます。
凝固因子の一部が欠けているため、血が止まりにくく、わずかな刺激でも出血や点状出血が起こりやすくなります。
また、ビタミンK欠乏症も同様に出血傾向を引き起こします。
ビタミンKは血液を固めるために必要な凝固因子の合成に欠かせない栄養素であり、不足すると血液が固まりにくくなり、皮膚や粘膜などに点状出血が現れることがあります。
点状出血の原因となる疾患
点状出血は、様々な疾患の症状として現れることがあります。
点状出血の原因となる可能性のある疾患を4つに分けて解説していきます。
紫斑病:アレルギーや感染症が原因で起こる
紫斑病は、血管壁の脆化によって起こる出血性の病気です。
アレルギーや感染症、薬物などが原因で発症することがあります。
以下のような種類があります。
- アレルギー性紫斑病:薬物や食品などのアレルギー反応によって発症します。
- 感染性紫斑病:細菌やウイルスなどの感染症によって発症します。
- 血小板減少性紫斑病 (ITP):免疫の異常によって血小板が破壊され、減少する病気です。
血小板減少症:血小板の数が減ってしまう病気
血小板減少症は、様々な原因で血小板の数が減ってしまう病気です。
以下のような病気が挙げられます。
- 特発性血小板減少性紫斑病 (ITP):原因不明の血小板減少症で、最も多いタイプです。
- 薬剤性血小板減少症:特定の薬剤の使用によって血小板が減少する病気です。
- 感染症:ウイルスや細菌感染によって血小板が減少することがあります。
- 白血病:白血病など、血液の悪性腫瘍によって血小板が減少することがあります。
血管炎:血管に炎症が起こる病気
血管炎とは、血管に炎症が起こる病気です。
- 結節性多発動脈炎 (PAN):全身の血管に炎症が起こる病気です。
- 側頭動脈炎 (TA):頭部の血管に炎症が起こる病気です。
- ウェゲナー肉芽腫症:鼻や肺などの血管に炎症が起こる病気です。
その他:肝臓病、腎臓病、膠原病など
肝臓病、腎臓病、膠原病などの病気でも、点状出血が起こることがあります。
たとえば、肝臓病では、肝臓の機能が低下すると血液の凝固因子の生成が不十分になり、出血を止める働きが弱くなるため、点状出血が起こりやすくなります。
また、腎臓病によっても点状出血が見られることがあります。
腎機能の低下により、血小板の数が減少したり、血管壁が弱くなったりすることで、出血傾向が強まります。
さらに、膠原病などの自己免疫疾患では、免疫の異常によって血管に炎症が生じ、血管がもろくなることで点状出血が起こることがあります。
点状出血が「腕だけ」や「足だけ」にできる理由
点状出血は体の特定の部位に現れることがあります。
腕や足に集中する理由を見てみましょう。
重力の影響:足や腕は心臓から遠い
心臓からの距離が遠い部位は、血流が悪くなりやすく、重力の影響で血管に圧力がかかりやすいため、点状出血が起きやすくなります。
圧迫によるもの:衣服やベルトなどによる圧迫
衣服やベルトなどで体を圧迫することも、点状出血の一因です。
長時間の圧迫は、血流を妨げ、血管にダメージを与えることがあります。
点状出血はストレスや疲れと関係がある?
ストレスや疲労も、点状出血のリスクを高める要因となり得ます。
ストレスによる血管収縮:血行不良を起こしやすくなる
ストレスは交感神経を刺激し、血管を収縮させます。その結果、血行不良が起こりやすくなり、出血リスクが高まります。
疲れによる免疫力低下:病気にかかりやすくなる
疲労が蓄積すると免疫力が低下し、感染症や炎症、さらにそれに伴う点状出血が起こりやすくなります。
大人になってから点状出血が増えた場合は?
加齢による血管の老化:血管がもろくなる
歳を重ねると共に、血管の弾力性が失われ、もろくなってしまいます。これにより、わずかな圧力でも破れてしまう場合があります。
生活習慣病:高血圧、糖尿病など
高血圧や糖尿病といった生活習慣病は、血管に負担をかけダメージを与えるため、点状出血のリスクを高めます。
点状出血を見つけた時の対処法
点状出血は通常2〜3週間で自然と消えることが多いですが、血液の病気や薬の副作用が原因で発症している場合には、適切な治療が必要です。
専門医への受診:原因を特定し適切な治療を受ける
まずは専門医を受診し、原因を特定してもらうことが大切です。
症状に合った適切な治療を受けることで、リスクを最小限に抑えられます。
生活習慣の改善:食生活、運動習慣を見直す
点状出血は原因が特定できないものもありますが、生活習慣の改善は健康的に生活するために非常に効果的です。
ストレス解消:心身のリラックスを心がける
点状出血の原因ははっきりしないものもありますが、点状出血がある方の中で過去に強いストレスやうつ症状があった方が見られています。
ストレスが関与している場合、リラックスできる時間を作ることで、症状の軽減が期待できます。
点状出血予防のためにできること
点状出血を防ぐために、日常生活の中で心がけるべきことがあります。
規則正しい生活:睡眠、食事、運動を意識する
規則正しい生活は、体全体の健康を支えます。
毎日の睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。
ストレスをためない:ストレス解消方法を見つける
自分に合ったストレス解消方法を見つけ、定期的に行うことが重要です。
ヨガや瞑想、趣味に没頭する時間を作るのも良いですね。
健康的な食事:バランスの取れた食事を心がける
新鮮な野菜や果物、健康的な脂質を含む食事は、血管の健康を保つのに役立ちます。
適度な運動:血行促進効果
定期的な運動は、血行を促進し、血管の健康維持に有効です。
週に数回は適度な有酸素運動を取り入れましょう。
定期的な健康チェック:早期発見、早期治療
定期的な健康チェックは、異常を早期に発見し、治療するために欠かせません。
特に気になる症状がある場合は、積極的に医師の診察を受けましょう。
まとめ
点状出血は血管、血液関係の異常や外的要因、さらには疾患と様々な要因によって引き起こされます。原因を特定し、適切な対策を取ることが大切です。
また、予防策として規則正しい生活やストレス管理も効果的です。
もし体調に不安がある方は、お気軽に当クリニックにご相談ください。
よくあるご質問
Q.点状出血は疲れと関係していますか?
A.はい、関係することがあります。
疲れが溜まると血行が悪くなり、血管がもろくなることがあります。
また、過労による免疫低下やビタミンの消耗も影響します。
身体のサインとして点状出血が現れることもあるので、十分な休息や栄養補給を心がけることが大切です。
Q.点状出血の治し方はありますか?
A.点状出血の治し方は、原因に応じて異なります。
軽い圧迫や疲労によるものであれば、安静にし、圧迫を避けて様子を見るだけで自然に消えることが多いです。
しかし、繰り返し出る場合や広がる場合は、以下の対策を検討してください:
・血液検査や皮膚科での診断
・栄養バランスの見直し(ビタミンC・Kの補給)
・医師による薬物治療(必要に応じて)
・日常的な疲労管理・ストレス軽減
症状が改善しない場合や全身に出る場合は、早めの医療機関受診をおすすめします。
Q.点状出血とストレスには関係がありますか?
A.関係していることも考えられます。
ストレスが強い状態が続くと、自律神経の乱れや免疫機能の低下により血管が脆くなり、点状出血が現れることがあります。
特に慢性的な疲労や睡眠不足も重なると、肌の一部に赤い小さな出血点が見られることがあります。
気になる場合は医師に相談し、画像を撮って経過を観察することも大切です。
参考文献
日本血栓止血学会誌 紫斑の種類と病因
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsth/18/6/18_6_559/_pdf/-char/ja

